3.11東日本大震災・原発事故から12年を覚えて
所沢キリスト教会 2023年3月5日週報 巻頭言「牧草」より
▲東日本大震災と原発事故が発生して今週11日、12年目を覚えます。死者は15900人。行方不明者は、2523人(22年3月発表分)という甚大な被害は今も続いていますし、原発事故を起こした原発の処理、汚染水、汚染土は解決する目途もないままに月日は流れ、増え続けています。▲先日この震災支援に関わってきた「日本バプテスト連盟現地支援委員会」による「光あれ~混沌の地に生かされて~東日本大震災から10年の証言集」が発行されました。▲283頁もの各頁には祈りや叫びや気づきや喜び、訴え、そしてそこにおいて聖書をどのように読んだかということ、様々な支援活動について記録されています。▲まだ読み切れてはいませんが、この記録は今後も必ず起こる様々な災害や事故における準備や方向性(災害が起こる前からの対応を含め)を示してくれるものだと思います。▲12年を経た今でも、放射線の影響により、例えば甲状腺癌が増えているという報告(一方では否定する報告もある)もありますし、今だ故郷に戻ることができない人々、精神的影響や経済的影響を受けている人々がおられます。▲また、所沢(並木、環境省環境調査研修所)と東京都において「原発事故の除染で生じた土の再利用」を目指し、除染土壌を持ち込み再生利用時の安全性を確認する実験が計画されています。▲昨年12月16日に現地説明会が行われましたが、参加者の地域は限定され、地域の掲示板のみの告知、報道陣は締め出して開催するなど、政治の「隠蔽体質」が問われ続けている今においても改善されていません。この課題については連合の「8・15平和礼拝」で取り扱われます。▲その他様々な課題がありますが、ここでは到底書き切れません。▲証言集「光あれ」の中での一つの祈りを紹介しつつ、3月11日に心合わせて祈りたいと願います。▲「…しかし主は、こうした混沌のすべての地にあって、『光あれ』と叫ばれます。『光あれ、こうして光があった』という圧倒的な創造の業に、私たちは希望を置きます。主よ、どうか、この混沌の地に生きる私たちの只中に、光を創造してください。主にある光が、すべての人を照らし、温めてくださいますように。そして、十字架で苦難を負い、復活された主イエスの寄り添いと慰めが、すべての命と共にありますように。」▲なお連盟「現地支援委員会」の働きは終了し、東北連合の「特別委員会(被災支援)」に引き継がれています。(献)