5/30 「聖霊の力③」 Ⅰコリント2章6-18節
10節からパウロは「霊」の働きについて述べています。「霊」はいわゆる三位一体の「父・子・聖霊」の「霊」です。この「霊」というのがなかなか解りづらいことがあります。どうしても「霊」といえば、「幽霊」のようなイメージを持つからでしょう。
聖霊である神、それ自身が「位格」(ペルソナ)の一つでありますが、その働きこそ特筆されるものです。聖霊は「神の息」、「神の風」の意味であり、例えば、笛に息が注がれる時に、その音を響かせるように、神の命の息が人間に吹きこまれるのがペンテコステであり、人間の生きる根源であり(創世記)、聖霊は「イエスは主である」という信仰告白を人間に与え、人間はその見えない風に動かされ、歩み出す力が与えられます。明日、5月31日は2020年のペンテコステですが、隠れ、閉ざされていた弟子たちが、世界に向かって、意味不明の言葉ではなく、和解の言葉、赦しの言葉を国や民族の違いを超えて語りだした日がペンテコステです。
その日からキリスト教会はイエス・キリストの言葉を大事にし、言葉を生きる教会としての歩みが始 まりました。聖霊は、主イエスの言葉を想起させ、我らと共にうめき、伴い、万事を益となるように共に働く方であり、その命に私共も生かされ、教会をたてていくのです。
私は常々「讃美歌」の働きの一つに「教育的側面」があることを言っております。讃美歌は告白であり、応答ですが、その言葉の中で「神はどのような方なのか」「教会とは」「クリスマスとは」、きりがありませんが、そのような教会が共有する信仰告白を歌うことによって教えるという面があるのです。
では「新生讃美歌」(日本バプテスト連盟発行)から、聖霊に関して教えている言葉を見てみましょう。
「聖霊は、救いの業を証しして、暗きに住む人々に告げ知らせる力」「迷い、もがく我らを助ける聖霊」「聖霊はわが弱き魂を主のもとに導く」「かたくなな私の心をひらき、主の御心を告げ知らせる」「幻を与え、知恵を与える聖霊」「倒れしものには安らぎを与えて、いやす方」「わが渇きをいやす、砂漠の泉」「弱き身を強くなし、愛に歩ませてくださる」「われを砕き、われを満たす聖霊」等です。
しかし、以上がすべてでもありません。より聖書の証言に近づくためには、まだ「新しい歌」が必要なテーマでありましょう。例えばガラテヤの信徒の手紙5章の「霊の結ぶ実(フルーツ)は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。これらを禁じる掟はありません。」等の言葉をあなた自身の言葉で表現していくこと、そこに讃美歌が新しく生まれる可能性があります。また、聖霊は時に個人的な所有物のように考えられてきますが、よりダイナミックな教会をうみだし、語りだし、奉仕へと向かう力にも目を向けていきたいものです。
今日の箇所をもう一度見直してみましょう。聖霊の働きはここで、「神の深みのきわみを教え、判断させるもの」とあります。この世にあって、私どもは「神の真の知恵」を求めていきたいものです。
<日本バプテスト連盟加盟教会・伝道所等を覚えての祈り> 日本バプテスト連盟医療団。京都市で「総合病院 日本バプテスト病院」「バプテスト老人保健施設」「バプテスト居宅介護支援事業所」「バプテスト訪問開度ステーション しおん」を運営しております。祈りの課題は①隣人愛も基づく医療実践のために。②地域に提供する医療・看護・介護・福祉の質の向上のため。理事長:尼川龍一、牧師・チャプレン:宮川裕美子