4/27「民主的な教会のゆえ」Ⅰコリント1章10-17節②
コリント教会では信徒の考え方、思いの表現、そして違う考え方が複数ある中でどのような方向性をもって歩んでいくのかということでいくつかのグループに分けられ、それぞれが正当性を示し、妥協しない、というか、互いに裁き合っていたのです。教会であれ、どんな組織であれ、そのような違いや対立はよく生まれることです。思いが強く、熱心に関わろうとすればするほど、その溝が深くなるのです。今のコロナ感染に対する対応でも様々な溝が生まれていることを覚えます。
そのような人間の在り様を知った上でパウロは「心を一つにし、思いを一つにしなさい」と勧めます。また、この言葉は教会形成におけるキーワードです。コリント教会に対立が生じていた、でもこのことはある面から見ればすばらしいことなのです。別の個所でパウロは「分派」も必要であると語っております。
なぜ「すばらしい」と言うのか。つまり、二千年前の教会において「民主主義的な教会生成」で運営されていたからです。多くの部族や国というもの、それは部族長や王や皇帝等が命じたことに反対や違う意見を述べることは大変なことでした。時には死刑すら与えられます。また部族長がある宗教に改宗した場合、その配下にある人々も皆、その宗教を持たねばなりませんでした。
「思想・信仰の自由」等は今でこそ当たり前のように考えられますが、そのような「自由」がない社会は現代でも大変多いということができます。コリント教会でも一人の権威者が「こうする」と言ったら、違う考えをもっていても従わなければならなかったし、そうしないと破門されることでしょう。でも、そうではなかったのです。それぞれ社会的な立場や経済的な違いはあっても、主の前には等しく、ゆえに、皆で語り合い、教会の運営がなされていた。そのことは今の教会でも同じですね。時々、牧師を権力者と考える方があります。牧師は教会員から働きを委託され、招聘されます。すべての活動は執事会や総会で報告され、承認されてできるのです。しかし、一方で、委託する側には責任が伴います。「自由」であることと、「責任」、それぞれの自覚が、民主主義国家でも、民主的な教会運営でも強く求められます。
<日本バプテスト連盟教会・伝道所等を覚えての祈り> 東北バプテスト連合。東北連合は福島、宮城、秋田、岩手、青森、山形各県にあり、日本バプテスト連盟に加盟する15教会の連合です。祈りの課題は以下です。①相互訪問礼拝が用いられるように。②無牧師の教会の守りのために。③協力伝道のビジョン共有のために。会長:小田
衛(大富キリスト教会牧師)